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パート・アルバイト・有期雇用者は企業型DCに加入できる?同一労働同一賃金の観点から解説

投稿日:2026年07月27日

更新日:2026年07月27日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

「うちはパート従業員が多いから、企業型DCは正社員だけの制度でいい」と考えている経営者は少なくありません。しかし、企業型DCの加入資格をどう定めるかは、同一労働同一賃金の考え方とも関わる、意外と見落とされがちな論点です。本記事では、パート・アルバイト・有期雇用者の企業型DC加入について、制度上の仕組みと実務上の注意点を整理します。

結論:加入資格は設定できるが「合理的な基準」であることが必要

企業型DCは、労使合意のもとで加入者の資格を勤続期間や職種、労働時間などの基準で定めることができます。ただし、その資格は合理的なものでなければならず、特定の従業員を不当に差別的に取り扱う内容は認められません。パート・有期雇用者を一律に加入対象外とすること自体は制度上禁止されていませんが、同一労働同一賃金の趣旨を踏まえ、待遇差の合理性を説明できる設計にしておくことが望まれます。

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企業型DCの加入資格の法的な仕組み

確定拠出年金法上、企業型DCを実施する事業主は、規約において加入者となることができる者について「一定の資格」を定めることができます。この資格は、特定の者について不当に差別的な取扱いをするものであってはならないとされています。つまり、「勤続3年以上の者」「正社員として雇用される者」といった基準を設けること自体は認められていますが、その基準に合理性が求められる点がポイントです。

典型的な資格設定のパターン

実務上よく見られる資格設定には、正社員のみを対象とするもの、一定の勤続期間を満たした者を対象とするもの、所定労働時間や雇用形態で線引きするものなどがあります。パート・アルバイトを除外する規約を設けている企業は多く見られますが、近年は人材確保・定着の観点から、一定の要件を満たすパート・有期雇用者にも加入対象を広げる企業が増えてきています。

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同一労働同一賃金・パートタイム有期雇用労働法との関係

パートタイム・有期雇用労働法は、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止しています。企業型DCの加入資格そのものを直接規律する法律ではありませんが、福利厚生の待遇差についても、業務内容や責任の程度などに照らして不合理でないことが求められる流れにあります。正社員と同程度の業務を担うパート・有期雇用者を一律に排除する取り扱いは、将来的に待遇差の合理性を問われるリスクがある点は認識しておく必要があります。

加入対象を広げる場合のメリットとコスト

加入対象を広げることで、パート・有期雇用者の定着率向上や、採用競争力の強化が期待できます。一方で、対象者が増えるほど事業主掛金の総額は増加するため、人件費計画との整合性を確認しながら検討する必要があります。段階的に、一定の勤続期間を満たしたパート従業員から加入対象に含めるといった設計も選択肢の一つです。

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実務上の進め方

加入資格を見直す場合は、労使合意を経たうえで規約変更の手続きを行う必要があります。既存の正社員のみを対象とする規約から対象を広げる場合、変更の区分(軽微な変更か、届出が必要な変更か)によって手続きが異なるため、運営管理機関や顧問税理士に確認しながら進めることをお勧めします。

SMC税理士法人からのアドバイス

私たちが支援する中小企業の中には、パート従業員の比率が高い業種(小売・サービス業等)も多くあります。加入資格の設定は自由度がある一方、同一労働同一賃金の観点から待遇差の説明責任が問われる場面が今後増えていくと考えられます。人件費への影響を試算しながら、無理のない範囲で加入対象を検討することをお勧めします。

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まとめ

  1. 企業型DCの加入資格は労使合意により設定できますが、合理的な基準であることが求められます。
  2. パート・有期雇用者を一律に除外すること自体は制度上禁止されていません。
  3. 同一労働同一賃金の趣旨を踏まえ、待遇差の合理性を説明できる設計が望まれます。
  4. 加入対象を広げると定着率向上が期待できる一方、人件費負担も増加します。
  5. 資格の見直しには労使合意と規約変更の手続きが必要です。

出典・参考法令

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な確定拠出年金導入をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

パート従業員を企業型DCの加入対象外にすることはできますか?

制度上は可能です。ただし、資格の設定は合理的なものである必要があり、同一労働同一賃金の趣旨も踏まえた検討が望まれます。

加入資格に勤続年数の条件を付けることはできますか?

可能です。「勤続〇年以上」といった基準を設けること自体は認められています。

加入対象を途中から広げることはできますか?

可能です。労使合意を経て規約変更の手続きを行うことで、対象範囲を見直すことができます。

加入対象を広げると事業主掛金の負担はどう変わりますか?

対象者が増える分、事業主掛金の総額は増加します。人件費計画とあわせて試算することをお勧めします。

同一労働同一賃金への対応として、企業型DCの加入対象拡大は必須ですか?

必須ではありません。ただし、待遇差の合理性を説明できるようにしておくことが望ましいとされています。

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このコラムの著者 : 宍戸沙綾

株式会社SMC総研:株式会社日本企業型確定拠出年金センター 企業型DC導入支援グループ
AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/DCプランナー2級 
前職で税理士法人グループの保険代理店に所属し、税務の観点から企業にとっての最適な金融商品の提案を実施。その経験を活かし、現在は企業型確定拠出年金の導入を多数支援。提携先の税理士事務所や大手保険会社との共催セミナーの主催や社内勉強会を実施。経営者の想いに寄り添い、「経営者と従業員の資産最大化」をサポートしている。

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