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従業員3人以下でも企業型DCは導入できる?最小規模の条件と注意点

投稿日:2026年06月12日

更新日:2026年06月12日

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この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

「うちは従業員が2〜3人しかいないから、企業型DCは無関係だろう」と思っていませんか。実は、企業型確定拠出年金(企業型DC)には従業員数の下限がなく、小規模企業でも導入できる制度です。この記事では、最小規模の導入条件と、小規模だからこそ注意すべきポイントを解説します。

結論:従業員1人(役員のみ)でも導入可能

企業型DCは、従業員が1人もいない「役員だけの会社」でも導入できます。 確定拠出年金法には企業規模や従業員数に関する下限要件がなく、厚生年金の適用事業所であることが主な条件です。

このセクションのポイント

  • 従業員数の最低人数要件は法律上存在しない
  • 「厚生年金の適用事業所」であれば役員1名の法人でも設立可能
  • 加入対象は厚生年金の被保険者(70歳未満)
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企業型DCの加入要件と規模制限

法律上の「企業型DC」導入条件

確定拠出年金法(第3条)に基づく企業型DCの導入には、主に以下の要件を満たす必要があります。

要件 内容
事業所の要件 厚生年金保険の適用事業所であること
加入対象者 厚生年金被保険者(原則70歳未満)
規約の整備 確定拠出年金規約を作成し、地方厚生局に申請・承認を受けること
加入者数 法律上の下限なし(1名からでも可)

つまり、従業員が3人以下であっても、役員のみであっても、厚生年金適用事業所である法人であれば企業型DCを導入できます。

役員のみ・家族経営でも加入できるか

結論として、役員のみの会社や家族経営の会社でも導入できます。

ただし、加入できるのは「厚生年金の被保険者」に限られます。たとえば、家族経営で配偶者や子が従業員として厚生年金に加入していれば、その方も加入対象になります。一方、厚生年金に未加入のパートタイマー等は加入対象外です。

また、代表取締役や役員は、役員報酬を受けており厚生年金の被保険者であれば加入できます。一人社長(役員報酬あり・厚生年金加入)であれば、従業員ゼロでも企業型DCを設立・加入できます。

「中小事業主掛金納付制度」(iDeCo+)との違い

小規模企業向けの制度として、企業型DCと混同されやすいのが**iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)**です。両者の主な違いは以下の通りです。

項目 企業型DC iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)
制度の種類 企業年金制度(会社が規約を設立) iDeCo(個人型DC)に会社が上乗せ拠出する仕組み
対象企業 規模制限なし 従業員数300人以下の中小企業
掛金の扱い 全額損金算入(福利厚生費) 全額損金算入(福利厚生費)
役員の加入 可能 不可(従業員のみ)
制度設計の自由度 高い(選択制・マッチング拠出等) 低い(iDeCoの枠内での上乗せ)
掛金上限 月額最大55,000円(他の企業年金なしの場合) iDeCoの上限内(月額23,000円以内)

最大の違いは「役員が加入できるかどうか」です。 役員自身の退職金準備や節税を目的とする場合、iDeCo+では対応できないため、企業型DCが唯一の選択肢となります。

このセクションのポイント

  • 企業型DCは規模・人数の制限なし。役員も加入対象
  • iDeCo+は従業員300人以下の中小企業向けだが、役員は加入不可
  • 役員の老後資産形成・退職金準備には企業型DCが適している

小規模企業が企業型DCを選ぶメリット・注意点

小規模企業特有のメリット(役員の節税効果が大きい)

小規模企業、とくに役員が1〜3名程度の法人では、企業型DCの節税効果が大きく現れます。

事業主掛金は全額損金算入(福利厚生費)できます。 たとえば、役員が月額55,000円(年間66万円)を拠出した場合、全額が法人の損金となり、法人税の課税所得を圧縮できます。

また、加入者(役員・従業員)の側では、掛金は所得税・住民税の課税対象外となり、運用益も非課税です。受取時は退職所得控除(一時金受取の場合)や公的年金控除(年金受取の場合)が適用されるため、受取時の税負担も抑えられます。

さらに、選択制企業型DCを採用した場合、従業員・役員が給与の一部を掛金として拠出する仕組みにできるため、会社が新たな掛金を負担せずに制度を導入できます。

注意点:従業員への説明義務・投資教育

企業型DCを導入する際、事業主には加入者への投資教育の実施義務があります(確定拠出年金法第22条)。

具体的には、導入時の制度説明(投資の基礎知識・制度の仕組み・運用商品の概要など)のほか、継続的な投資教育(年1回以上が推奨)を行う必要があります。従業員が少ない小規模企業でも、この義務は省略できません。

ただし、外部の運営管理機関(株式会社日本企業型確定拠出年金センター等)がオンラインセミナーや動画コンテンツによる投資教育をサポートするケースが多く、事業主が単独で対応する必要はありません。

コスト面:小規模でも採算が取れる掛金ライン

企業型DCの導入・運営には、以下のコストが発生します。

  • 制度設計・申請費用:導入時のコンサルティング費用(プランによって異なる)
  • 運営管理手数料:月次の運営管理機関への手数料(加入者数・残高に応じて変動)
  • 信託報酬:運用商品に応じた手数料(投資信託の場合)

SBIぷらす年金プランのような中小企業・小規模企業向けプランでは、加入者1名からでも採算が取れる低コスト設計が提供されています。月額3,000円からの掛金設定も可能で、規模の小さな企業でも無理のない範囲で導入できます。

一般的に、掛金月額が10,000円以上であれば節税メリットがコストを上回るケースが多く、SMC税理士法人では個別の試算をもとに導入判断をお手伝いしています。

このセクションのポイント

  • 事業主掛金は全額損金算入。役員の退職金準備を経費で賄える
  • 投資教育の実施義務があるが、外部機関のサポートで対応可能
  • 低コストプランなら加入者1名からでも運営できる
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SMC税理士法人からのアドバイス

SMC税理士法人は、株式会社日本企業型確定拠出年金センターと提携しており、小規模企業・一人社長の企業型DC導入を一貫してサポートしています。

税務・会計の観点から導入メリットの試算を行い、制度設計から申請手続き・投資教育まで、外部専門家として包括的に関与できる体制を整えています。「うちの規模で本当に得なのか」という疑問から丁寧にお答えしますので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

  • 企業型DCに従業員数の下限はない。役員1名の法人でも導入可能
  • 加入要件は「厚生年金の適用事業所であること」と「加入対象者が厚生年金被保険者であること」
  • iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)は役員が加入できない点で企業型DCと大きく異なる
  • 小規模企業こそ役員の節税・退職金準備に大きなメリットがある
  • 投資教育義務・コスト・申請期間を把握したうえで計画的に導入することが重要

従業員が少ないからこそ、役員への恩恵が集中しやすい企業型DC。SMC税理士法人グループでは、貴社の規模や状況に合わせた最適な制度設計をご提案します。まずは無料相談をご活用ください。

本記事は2026年6月時点の法令・制度に基づいています。制度の詳細や個別の税務判断については、専門家にご相談ください。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 確定拠出年金導入 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

従業員が家族(配偶者)1人だけです。企業型DCに加入させられますか?

配偶者が厚生年金の被保険者であれば加入できます。役員報酬・給与を受けて厚生年金に加入していることが条件です。なお、パートタイムで週の所定労働時間が短く厚生年金未加入の場合は対象外となります。

個人事業主(フリーランス)は企業型DCを導入できますか?

企業型DCは「法人」が設立するものです。個人事業主は対象外となります。個人事業主の場合はiDeCo(個人型DC)が選択肢となります。なお、法人成りすることで企業型DCの導入が可能になります。

すでにiDeCoに加入しています。企業型DCに乗り換えられますか?

企業型DCを導入した場合、原則としてiDeCoとの併用に一定の条件が生じます(マッチング拠出を採用しない場合はiDeCoとの同時加入も可)。詳細は制度設計によって異なりますので、導入前にご確認ください。

役員報酬が低い場合でも加入できますか?

厚生年金の被保険者であれば加入できます。ただし、掛金は報酬月額の水準に関わらず設定できます(最低3,000円から)。報酬が低い場合でも、節税効果の大小を試算のうえで判断することをお勧めします。

申請から導入まで、どのくらい時間がかかりますか?

地方厚生局への規約申請から承認まで、おおむね6か月程度かかります。導入を検討している場合は早めに動き出すことが重要です。SMC税理士法人・株式会社日本企業型確定拠出年金センターでは申請書類の準備からサポートします。

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このコラムの著者 : 宍戸沙綾

株式会社SMC総研:株式会社日本企業型確定拠出年金センター 企業型DC導入支援グループ
AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/DCプランナー2級 
前職で税理士法人グループの保険代理店に所属し、税務の観点から企業にとっての最適な金融商品の提案を実施。その経験を活かし、現在は企業型確定拠出年金の導入を多数支援。提携先の税理士事務所や大手保険会社との共催セミナーの主催や社内勉強会を実施。経営者の想いに寄り添い、「経営者と従業員の資産最大化」をサポートしている。

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