破産弁護士から見た破産会社の特徴(1)

破産弁護士から見た破産会社の特徴(1)

今回から4回シリーズで、破産弁護士から見た破産会社の特徴を見ていきたいと思います。

(1)サンドイッチ弁護士時代

私はかつて破産専門弁護士として、業務時間の殆どを破産申立業務に当てていた時期がありました。破産専門弁護士のことをサンドイッチ弁護士と呼びます。『挟んで(破産で)食べている。』というシャレですが、私が弁護士になった平成14年頃は、破産事件が急増していた時期でした。私もサンドイッチ弁護士として沢山の破産事件を担当しました。

(2)都市伝説

当時の私は法律の勉強はしていましたが、決算書なんて全く読めず、貸借対照表や損益計算書の勘定科目すらおぼつかなかったです。
それでも破産申立の際には裁判所へ報告書を提出しなければならなかったため、決算書の読み方が書いてある本を沢山読んで、過去の決算書を見ながら破産に至った経緯について報告書を作成していました。


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弁護士になりたての私には、ある思い込みがありました。
「会社の経営者は全員が決算書を読めるはずだ」という思い込みです。
私は経営などやったこともないし、勉強したこともありませんでしたが、数字が読めないのに経営なんてできるはずがないと、純粋に思っていたからです。

経営者はみんな決算書が読めるのに、弁護士の私が決算書を読めないと恥ずかしいし、会社を理解できるわけもない。そう思って必死に勉強したのを覚えています。

ついでに言うと、どこの会社にも経営理念と事業計画があると思っていました。

また、税理士は全員が会社経営のアドバイスができると思い込んでいました。
決算書を作る専門家なので、当然のように経営を理解し、当たり前のように経営の助言をしているだろうと。
それが単なる都市伝説であることは、法人の破産申立を何件かやっている中ですぐにわかりました。

(3)破産会社の3つの特徴

破産会社には3つの特徴があります。弁護士になりたての私が、どこの会社にもあって当たり前だと思っていたのに「なかったもの」です。

①目的や理念がないこと。

破産会社の経営者は、経営理念や経営目的など考えたこともない人ばかりでした。

②目標や事業計画がないこと。

どんぶり勘定で計画性は皆無という会社です。

③破産会社の経営者は決算書が読めないこと。

たとえ顧問税理士がついていて決算書があっても、経営者がそれを理解できなければ、そもそも決算書がないに等しいです。
こんな経営をしているから会社を潰してしまうのではないか、と真剣にそう思いました。

しかし数年後には、破産した会社だけでなく多くの中小企業にも同じ共通点が当てはまることに気づきました。創業して10年以内に廃業倒産する会社が多いのはそのためではないかと考えています。

(4)破産会社の社長の愚痴

破産会社の社長は決算書が読めません。読めないので勘で行動します。勘が冴えているときは業績が向上しますが、勘が鈍ってくると業績がぐんぐん下がります。

決算書を読めなくても税理士に任せているので大丈夫だ、と思っていた人も多いです。ところが破産することになると、税理士に対する不満を多く口にします。他人の所為にしてしまうのです。
また銀行に対する不満も口にします。「見捨てやがった」とか、「良い時はちやほやしやがって、あかんようになったら冷たくなった」等と言います。これも他人の所為にしているのです。

破産申立に至るまでに一家が離散状態になった方も沢山います。
収入がある時は、愛人を作ったり散財したりして気前が良いのですが、経営がうまくいかなくなると、夫婦喧嘩が絶えなくなり、離婚や別居状態になるケースが多かったです。
また子供からもそっぽを向かれ、天涯孤独の状態で破産に至る社長さんもおられました。

私はどうも破産事件が好きになれませんでした。独りよがりで、うまくいっていたときは数億円を稼いで散財し、悪くなって倒産すると他人の所為にする人が多いと思ったからです。

そんな破産会社の社長さんを救うため、弁護士として何をしていったか。

次回のコラムではそんなお話もしていきたいと思います。どうぞお楽しみに。

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