前回のコラムまではキャッシュが減少する第一の支出、「経費」についてお話ししてきましたが、今回より第二の支出「資産の増加」について見ていきます。

「資産の増加」と聞いて一番に頭に浮かぶのは設備投資ですね。

設備投資は、投資することによって収益を上げるか経費を削減できるような、何らかの投資効果が出ることを期待して行うものです。例えば「製造するための機械装置を購入する」「倉庫を建設する」「建物の内装をする」「ソフトウエアーを開発する」「車を購入する」「パソコン(器具備品)を購入する」等です。

資産の増加は設備投資だけではありません。受取手形や売掛金の回収サイトが長くなれば資産が増加します。さらに在庫(棚卸資産)の増加、株式や投資信託の購入、ゴルフ会員権やリゾート会員権の購入、保険料の支払いで資産計上しなければならないもの、貸付金(社員や役員への貸付、関係会社への貸付、取引先への貸付など)なども資産の増加です。

資産の増加と聞くと、企業にとって財産が増えるのだから良い事象のように聞こえます。
ところが資産が増加しても、一概に企業にとって良い事象とは言えないのです。
キャッシュの視点から見れば、資産が増加するということは、購入するためのキャッシュが必要だということです。

裏を返せばキャッシュが減るのです。

キャッシュは企業の命です。
キャッシュが大きく減少したうえで設備投資の成果が出ないことで、企業が倒産に追い込まれることがあります。
多くの企業の倒産原因が設備投資の失敗だったと言っても過言ではありません。

設備投資の代表格は土地・建物の購入、建設ですね。

土地を購入したり、建物を購入・建築したりすると金額も高額になるので、大きくキャッシュが減少するか、借入金が大きく増加することになります。
いずれにしても設備投資の成果がでなければ倒産の危機となることもあります。

土地や建物購入が工場や店舗であれば、新たな収益を確保するための設備投資でしょうから必要に応じて行うべきでしょう。しかし、本社建物の建設のための設備投資だとすると注意が必要です。

よく言われることですが「本社を建てた時がその企業のピークで、その後その企業は衰退する」ということです。

本社建物は基本的には新たな収益を生むことはありません。

それにもかかわらず、何故本社建物を建てるのでしょうか?

それは、現在の会社の業績が良いので、本社建物が収益を生まなくても何とかなりそうという安易な心、あるいは業績が良いので立派な会社に見せたいという見苦しい見栄から建てさせるのです。

本社建物を建てたらその会社は要注意ですよ。
本社建物など賃借すれば良いのです。
当然SMCグループの本社は、テナントビルで家賃を支払っていますよ。

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