投稿日:2026年04月09日
更新日:2026年06月09日
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20代の会社員にとって、企業型確定拠出年金(DC)の資産配分は将来の資産を大きく左右する重要な選択です。
運用期間を30年以上確保できる20代は、リスクを許容し、積極的なリターンを狙う「攻めの配分」が合理的といえます。
多くの企業で初期設定されている元本確保型は、機会損失やインフレのリスクを抱えています。
この記事では、20代が攻めの運用をすべき理由と、具体的なおすすめのポートフォリオを解説します。
目次
多くの企業では、企業型確定拠出年金に加入した際の初期設定商品として「元本確保型」が指定されています。
しかし、この設定のまま何も変更せずにいると、将来の資産形成において大きな機会損失を生んだり、インフレによって資産価値が実質的に目減りしたりする可能性があります。
20代のうちから、なぜ元本確保型が最適ではないのかを理解し、自身のリスク許容度に合った資産配分へ変更することが重要です。
会社の指示通りに手続きを進めた結果、多くの20代が初期設定の「元本確保型」のまま運用を続けています。
元本確保型は、定期預金や保険商品が中心で、元本割れのリスクがない代わりに、現在の低金利下ではほとんど資産が増えません。
本来であれば、株式などの成長が期待できる資産に投資することで得られたはずの利益を逃してしまう「機会損失」につながります。
運用期間が長い20代にとって、この機会損失は将来の資産額に数十万、数百万円単位の差を生む可能性があるため、見過ごせない問題です。
元本確保型のリスクは、資産が増えないことだけではありません。
物価が上昇するインフレによって、お金の価値が相対的に下がってしまう「資産の目減り」リスクも抱えています。
例えば、年2%のインフレが続くと、100万円の価値は1年後には実質的に98万円になってしまいます。
元本確保型の利回りがインフレ率を下回っている場合、額面上の金額は減っていなくても、購入できるモノやサービスの量が減ってしまうのです。
将来の生活を守るためには、インフレ率を上回るリターンを目指せる資産配分を考える必要があります。
20代が企業型確定拠出年金で「攻めの運用」をすべき最大の理由は、圧倒的な「時間」を味方につけられる点にあります。
老後資金として資産を引き出すまで30年以上の期間があるため、長期投資のメリットを最大限に享受できます。
具体的には、資産が雪だるま式に増える「複利効果」と、市場の短期的な変動リスクを抑える「時間的分散」という、2つの強力な武器を活かせるのです。
複利効果とは、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益がさらに利益を生む効果のことです。
運用期間が長ければ長いほど、その効果は雪だるま式に大きくなります。
例えば、毎月一定額を積み立てる場合、最初の数年は元本と利益の差はわずかでも、20年、30年と経つにつれて利益の割合が飛躍的に増加します。
定年まで30年以上の運用期間がある20代は、この複利効果を最大限に活用できる世代です。
早くから株式などのリターンが期待できる資産で運用を始めることで、将来的に大きな資産を築くことが可能になります。
株式市場は経済情勢によって常に変動しており、短期的には暴落するリスクも伴います。
しかし、歴史を振り返ると、世界経済は一時的な停滞や暴落を乗り越え、長期的には右肩上がりに成長を続けてきました。
20代の場合、運用期間が非常に長いため、仮に運用開始直後に大きな下落相場が訪れたとしても、慌てて売却する必要はありません。
むしろ、価格が下がった局面では同じ掛金でより多くの口数を購入できるため、その後の回復局面で大きなリターンにつながります。
時間をかけてじっくりと市場の回復を待てることは、20代ならではの大きな強みです。
20代が企業型確定拠出年金で積極的な運用を目指すにあたり、具体的な資産の配分割合(ポートフォリオ)を3つのパターンに分けて紹介します。
世界経済の成長を最大限に取り込むことを目指す積極的な配分から、リスクを少し抑えたバランス型、そして初心者でも迷わず始められるシンプルな構成まで、自身のリスク許容度や考え方に合わせて選択することが可能です。
最も積極的で高いリターンを目指すポートフォリオが「外国株式100%」です。
これは、投資先をすべて外国株式のインデックスファンドにする配分です。
世界経済の成長の中心は米国をはじめとする先進国であり、その成長の恩恵を最大限に享受することを目的とします。
特に、S&P500(米国株式)やMSCIコクサイ・インデックス(日本を除く先進国株式)などに連動する商品が主な選択肢です。
リスクは最も高くなりますが、30年以上の長期運用が可能な20代にとっては、資産を最大化させる可能性を秘めた合理的な選択肢の一つといえます。
外国株式100%のリスクの高さに不安を感じる場合は、国内株式を組み入れてリスクを分散させる方法が有効です。
「外国株式70%・国内株式30%」のポートフォリオは、高い成長が期待できる外国株式を主軸にしつつ、為替変動リスクがなく値動きの傾向が異なる国内株式(TOPIX連動など)を加えることで、資産全体の値動きを安定させる効果が期待できます。
世界経済の成長を取り込みながらも、一つの地域への集中投資を避けたいと考える、バランスを重視する人に向いています。
どの商品を選べば良いか分からない、複雑な管理はしたくないという初心者におすすめなのが「全世界株式(オール・カントリー)100%」です。
全世界株式インデックスファンドは、その名の通り、日本を含む先進国から新興国まで、世界中の株式市場にこれ1本でまとめて投資できます。
自動的に各国の市場規模に応じた比率で分散投資が行われるため、専門的な知識がなくても手軽に国際分散投資を実践できるのが最大のメリットです。
シンプルでありながら、世界経済の成長をまるごと享受できるため、非常に効率的な選択肢です。
ポートフォリオの配分比率を決めたら、次は会社のラインナップの中から具体的な運用商品を選ぶステップに移ります。
企業型確定拠出年金で選択できる商品は限られていますが、いくつかのポイントを押さえることで、より有利な商品を絞り込むことが可能です。
特に、長期的なリターンに大きく影響する「コスト」と、分散投資の基本となる「投資対象」に着目して選ぶことが失敗しないための鍵となります。
投資信託には、市場の平均点(指数)を目指す「インデックスファンド」と、市場平均を上回る成績を目指す「アクティブファンド」の2種類があります。
アクティブファンドは専門家が銘柄を選定するため手数料(信託報酬)が高くなる傾向にありますが、長期的に見るとインデックスファンドを上回る成績を出し続けることは難しいとされています。
長期運用では、この信託報酬の差が最終的なリターンに大きく影響します。
そのため、まずは日経平均株価や米国のS&P500といった指数に連動する、低コストなインデックスファンドの中から商品を選ぶのが基本です。
株式のインデックスファンドを選ぶ際、どの地域の指数に連動する商品を選ぶかが重要になります。
特定の国や地域に集中投資すると、その国の経済状況に資産が大きく左右されてしまいます。
このリスクを避けるため、投資対象は「全世界株式(MSCIACWIなど)」や「先進国株式(MSCIKOKUSAIなど)」を基本に考えるのが合理的です。
これらの指数に連動するファンドは、世界中の幅広い国や企業に分散投資するため、カントリーリスクを低減できます。
世界経済全体の成長を長期的に取り込むという観点からも、これらの投資対象は20代の資産形成の中心に適しています。
一度、資産配分を決定して運用を始めた後も、完全に放置するのは望ましくありません。
自分の資産がどのように推移しているかを確認し、状況に応じてメンテナンスを行うことが、長期的な資産形成の成功確率を高めます。
特に、定期的な運用状況のチェックと、ライフステージの変化に応じた配分の見直しは、計画的に資産を育てる上で重要なポイントです。
運用を開始した後は、少なくとも年に1回、誕生日や年度末など決まった時期に運用状況をチェックする習慣をつけましょう。
運用会社のウェブサイトなどで、現在の資産評価額や損益状況、当初決めたポートフォリオの比率が崩れていないかを確認します。
例えば、株式が大きく値上がりして当初の比率よりも高くなっている場合、リスクを取りすぎている状態かもしれません。
定期的に状況を把握することで、大きな変化に気づきやすくなり、必要に応じて配分を調整するきっかけになります。
ただし、短期的な値動きに一喜一憂して頻繁に売買することは避け、あくまで長期的な視点で確認することが大切です。
20代で設定した積極的な資産配分も、一生涯同じで良いわけではありません。
結婚や住宅購入、子どもの誕生といったライフステージの変化や、年齢を重ねることでリスク許容度は変化していきます。
一般的に、定年退職が近づく30代、40代、50代と年齢が上がるにつれて、資産を守る運用の重要性が増します。
そのため、徐々に株式などのリスク資産の割合を減らし、債券や元本確保型商品といった安定的な資産の比率を高めていく「リバランス」を検討する必要があります。
ライフイベントの節目や、10年に一度など定期的に、現在の自分に合った配分かを見直すことが重要です。
企業型確定拠出年金は、20代にとって将来の資産を形成するための重要な制度です。
運用期間を30年以上確保できる強みを最大限に活かすためには、企業の初期設定に多い元本確保型ではなく、外国株式を中心とした「攻めの配分」を選択することが合理的です。
複利効果や時間的分散のメリットを享受することで、長期的に大きなリターンが期待できます。
今回紹介した「外国株式100%」や「全世界株式100%」といったポートフォリオを参考に、まずは低コストのインデックスファンドで運用を開始し、将来に向けた資産形成の第一歩を踏み出しましょう。
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「機会損失」と「インフレリスク」です。お金が増えないだけでなく、物価上昇によって将来買えるものが減り、実質的に資産が目減りする恐れがあります。
運用期間が30年以上と長く、一時的な暴落に見舞われても回復を待つ時間が十分にあるため、高いリターンを狙うのが合理的なステージだからです。
「全世界株式(オール・カントリー)」のインデックスファンド1本がおすすめです。これだけで世界中の企業に手軽に分散投資ができます。
いいえ。安く大量に購入できるチャンスと捉えて積立を継続してください。20代なら、その後の市場回復の恩恵をたっぷり受けられます。
年に1回は状況を確認しましょう。また、結婚や転職、あるいは30代・40代への進級など、ライフステージの変化に合わせて見直すのがベストです。